2006年08月06日

色の話、カラーキャリブレーション

これは以前mixiに書いた記事の転入記事です。
完璧!キャリブレーションへと続く導入記事です。


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全然浸透していない事実だが、あなたが今まさに見ているパソコンディスプレイの色は、ナナオの70万円くらいする超高級ディスプレイないし、正確かつ定期的キャリブレーションをしていないのであれば、本当の色ではないのである。つまり、写真家やイラストレーターといった制作者が望んでいる色が完全には再生されていないのである。前置きはこのくらいにしよう。


友人が、
http://www.monacosys.jp/product/desktop/index.html
MonacoEZcolor2.6 OPTIX-XR付き、という10万円もする最新型キャリブレーターを御購入あそばされていたので、その恩恵を下賜給わった本日なのでございます。(ちなみにその御仁は、コレの初代製品、Monaco OPTIXも所有されていたりする。)して、こいつ(EZcolor2.6)はモニターのほかに、手持ちスキャナを使って、スキャナーのキャリブレーションをしながらプリンターのキャリブレーションも行ってくれるという物だったりする。ちなみに、プリンタキャリブレーションをするシステムの中では最安の物で、上を見上げると、15万円から始まって24万円、57万円とキリが無い。(だが極論的には、後述の事に関係するのだが印刷所でないかぎりEZcolorで必要十分である。)

さて。自環境、
・Apple Mac mini PPC-G4 1.25GHz (MacOSX 10.4.7)
・Nanano EIZO FlexScan S2110W
・EPSON PX-G930
・EPSON GT-S600
にキャリブレーションを施したのである。

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(各機器それぞれ、色への考え方がこれほどに異なるのだ!)


感想から記しておくと、
みんなバラバラやりたい放題、唯一ディスプレイがキャリブレーションを意識した糸口のようなものが垣間見れたほかは、とにかく各機器の色彩の方向性がハチャメチャであった。そして、キャリブレーションをすると、恐ろしいくらいにドンピシャリと整合してくれたのである。今まさに目前の画面は、ミクシの余白部が限りなく「白い」。感動的ですらある。
特に、スキャナ読み込み→プリンタ出力では、ドンピシャリも良いところであるというか、同じメーカーでなんでそもそもこんなに色が違っていたんだとクレームつけたくなるほどである。ただし、読み込み時の設定および出力時の設定にて、キャリブレータによって生成された新しいカラープロファイルを読み込ませる設定方法が、Macの場合、かなり難易度が高い。小難しい。かすかなる記憶をたどると、Windowsもきっとそうだった。

さておき。
重要なのがモニターとプリント出力の色整合なのである。
極論から行こうか。

まず、発光(CRT)、透過光(LCD)、反射光(紙)、という根本的な因子により、モニタ出力とプリント出力とがキッチリ合致するという事は全く期待できない、そもそも量子的に馬力が違いすぎると考えた方が早い。今回自分の環境は、烏滸がましい事ながらもコツコツとリッチな機材環境を構築しているわけなのだが、基本の色温度やガンマ値を変更しても、どうしても合致できない色相が存在したのである。僕のモニタの場合、特に青系に。
少々つっこんでみようか。
ことインクジェットプリンタインクとプリンタ制御回路の発達は近年著しい物があって、今やモニターが扱える色範囲を超越していたりする。対しディスプレイ側はちょっと遅れていて、カラープロファイルの最高峰たるAdobeRGBが扱えるナナオ液晶機が最近70万円程で出た、とかいう、時代的タイミングである。つまり、色域を二次元ないし三次元に記したプロットを連想してみると、その色域を、単位幅が全く違う両者を適切に整合させる作業が如何に至難の事か、いやそもそも、心理学的な観点すら巻き込んで、肉眼で調整する事はほぼ不可能な事か、が理解できるのである。そこに、先に挙げた発色因子の根本的差違が加味されるわけである。

これをふまえた上でキャリブレーションを行っていくと、実に奇怪な体験とともに、痛烈な納得に至り、出力された印刷色に果てしない感動を・・、すみません、過剰表現です。
でも、結構納得できる整合は可能。

すみません、しばらく長文書いていなかったもので、うまくまとめられない処を以下Tips的にまとめます。

・色温度について
印刷目的環境:5500K
これは5500Kの光源下で計測する紙の反射光、という印刷ベンチマークに起因するのだが、今回実測してみると、夕方以降、屋内でこの色温度を達成するには、そもそもかなりの光源エネルギーが必要である事が分かった。自分の部屋環境は、100W電球色相当17Wインバーター蛍光灯ナショナルパルックボール1灯でそこから約1メートル下の白色パーティクルボードの机で測定された色温度が、2800K〜3400K。そこに、電気スタンドの60W白色灯相当12Wインバーター蛍光灯東芝ネオボールZを約50cm上空から照らしてあげた時の色温度が、4800K〜5050K程度である。製図用の電気スタンドで、中心に白熱灯、それを囲むように円形蛍光灯を備えるゼットライトが、今なお根強く存在する理由が物凄く分かった次第である。(そもそも蛍光灯だけにすれば色温度だけは容易に上がる筈であるが、RGB反射を考慮すると、部屋地形の乱反射を加味してかなり不安定な要素になりうる。馬力があり、かつ色温度が別々の光源をミックスするのがかなり安定した光源になりえるのは、そもそも三原色の原理にも近い)
表示重視作業環境:6500K
一瞥すると、色温度の数字が上がれば上がるほど、白く、そして青白くなっていく・・・ように見える。が、しかし、色温度という言葉の通り、あくまで波長エネルギー(自分としてはその発光が持つ馬力のような物、という感覚)なのであって、RGB三原色の配合を正確に調節してやると、感覚的に全く同じような「白」、いわゆるホワイトバランスが誕生するのである。が、エネルギーの差異から、6500Kは明るい感覚を覚える事となる。(・・このあたりの表現は未だ自分的には経験則に則った表現ですのでご注意願います。)よって、絵を描くとき、より広い色域を対象にパレットを扱える感覚、になるのだと思う。
・・・でも。結局印刷する事を考えたりしたら、全て常々5500Kにすべきなのではないか。という疑問が残る。残念ながら不勉強なのである。が、ひとつなんとなく分かったことは、抜本的には、6500Kも5500Kも、そしてガンマの1.8/2.2の差異も、超越的に近似した色に成り得る、という事か。ここにどういった論理と数式が存在しているのかは、今後の勉強を待たなければならない。とりあえず以上は、ハードウェアキャリブレーションによって生成されたカラープロファイルを用い、ディスプレイ側のRGB値も0.5%以下の単位で調節を完了した結果の、奇怪な体験の記述なのである。

・現実
僕がPC上での色表現に興味を持ったのは結構古く、1997年だった。最初は、PC内部にて、デジタル情報をアナログ情報に、いわゆるヒトの網膜が識別できる光波長に変換する回路RAMDACに興味を持ち、製造元をTIだのIBMだのBt.だのと拘っていた。これがまたそれぞれ全然違ったのである!・・しかし!!コスト削減でRAMDACがグラフィックチップに内蔵されてしまうようになった!
と、時を同じくして、キャリブレーションという概念を知ったのである。そもそも現世のPCは1670万色というカラーパレットを持っている、という原則が決定的なのに、同じモニターでもグラフィックボードを交換したら表示色域が変わる、という方がおかしいのである。つまりは、ハードのガイドラインは極めて高次元で完成しているのに対し、ソフトの問題だった。そこでキャリブレーションという話なのである。自分は当初、モニターの明るさ調節程度の事だと思っていた処、Adobeガンマを知る。いわゆる、「炎の肉眼キャリブレーション」である。そして、青く塗った空が紫に、黄色く塗ったオープンカーがオレンジに出力される、という壮大なカルマに陥り、肉眼でキャリブレーションを行う事はゼッタイムリ、いや、心理的にも、自分の見ている色は果たして本当にそう云われている色なのか、とサイコな疑心暗鬼と精神汚染を呼ぶ事が分かったのである。以降の事は端折ろう。
以上の辺りを今日、Apple Store Ginza Genius Barに新設された「The Studio」という、突っ込んだ質問おk!な窓口の方にお話をお伺いしたところ、素晴らしい事に、全く違和感なく円滑な返答を頂戴することが出来たのである。

ああ、こんな窓口、何年待ったか!!!

その最大の収穫。
プロのカメラマンの方でも、全ての機材をキャリブレーションする事の限界と、本質的な無意味さを悟られて、全くカラープロファイルを設定せず、まさに目前の環境こそが全て、という見地に立たれる方がいらっしゃいます。

ああ、この事実!!コレが聞きたかったんだ!!!!!
デジタルは、デジタルがゆえに抱える作品性と問題点。つきつめれば絶対にこうなる筈だ、という推測は正しかった!!パソコンにまつわった、人生最大の疑惑が晴れたのである!
名前忘れてしまったけれど、初めて有意義な会話が成立できたアップルストアジーニアスの方、本当にありがとうございました!

でも。

ハードウェアキャリブレーション、かなり重要な事には変わりありません。おすすめいたします。







話は続く(笑)

記録日:2006年08月21日02:37

さて。
ついについについに!
(お下がりだけど)マイキャリブレーターを手に入れてしまった!
MonacoOPTIX
http://www.monacosys.jp/product/optix/
ここの一番下のやつ。
これで思う存分、そこらじゅうのモニターをキャリブレーションして歩き回れるわけである!w

さておき。
今月の初めあたりから、なにかこう、カルマの如し始まった「色」への疑問は依然進行中だったりする。さて。

さて、ガンマである。

ガンマとは何か。
端的な答えとしてはこうだ。「画像の明るさの変化と出入力電圧の比」とのことである。要は、CRTの蛍光帯を輝かせるためのエネルギー比、言い換えれば、輝度定義の根幹・・という事らしい。一般に、Macは1.8、Windowsは2.2、という標準があるのだが、その話に行き着く前に、とても問いつめたい事がある。
世の中、主力は液晶モニターであり、そして使われる信号ケーブルは、昔のアナログRGBに変わって、デジタルDVIなのである。DVIでは何をやっているかといえば、PC側の描画回路GPUが描き出した画面の画像情報を、VRAMからRAMDAC(アナログRGBへのD/A回路)を通すことなく、モニターにデジタル出力し、モニター側のメーカー設計アルゴリズムによって画面を立ち上げている、というカラクリなのである。つまりは、

かつてのCRTという真空管に「エネルギーとして」色のアナログ信号を注ぎ込んでいた時のような、電気的制御が理論上全く介在していないのである。それなのに、ガンマという定義が未だ存在している理由はなんなのだ!・・と疑問をもつと、紙のガンマが0.8くらい、なんて文章をチラリと読んだので、混乱である。一体全体、どのような数式によってその数字が出てくるのだ!
だが益々確信を持って疑問をぶつけたい。

ホワイトバランス基準になる「色温度」をベースに、あとはキャリブレーションで色・輝度・コントラストを合わせていくだけ、では何故いけないのか!



更に話は続く(笑)

記録日:2006年08月21日21:06

ガンマとわっ!!!
『再生特性曲線の傾斜角をθとするとき、tanθがガンマである』
http://www.apple.com/jp/pro/filmvideo/nle/06/index2.html

すごいよ!Apple!!
流石だよ!Apple!!
偉いよ!!Apple!!

こんな事わざわざ載っけてるパソコンメーカーは他にはないよ!!←信者成分沸騰中(笑)いえ、秋葉原のパソコン書籍コーナーを漁りに漁ってもこの答えにたどり着かなかったものですから、この感動は本当なんです。
それにしてもなんてシンプルな定義なんだ。もっと複雑な事かと思いきや、えらく単純な三角関数だったとわ。

で。

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視覚的に導き出したものが、これです。曖昧ながら作ってみました。γ=1.8のMacで描いた物がγ=2.2のWindowsで見ると全体が暗くなる、という原因が一発でおわかりになるはずです。 (γ≠2.2の部分については右側方向の配色を誤っております。グラデーションがシフトしていく概念にのみ注視してください)

202640257_180.jpg

前回、DVI回路下であればガンマと輝度はどうせ一緒にしてしまえるんじゃないか?とか暴力的な疑問を持っておりましたが、見事覆されました。コントラストの仕事ではないのか、という疑念も感じますが、作業用色空間を「定義する」という事であれば、ガンマ定義は重要な要素でした。いやはや。

202640257_70.jpg

ほそく。
再生特性曲線の・・
縦軸は、出力輝度:0.00〜1.00
横軸は、入力値 :0〜255

この記事を再編集した2014年現在、Mac側のγは2.2となっています。OSX10.6以降、2.2が標準となりました。

posted by mao9821 at 00:00| Comment(0) | 読み物
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