
「ほらお日様でたよ。お姉ちゃん帰ろ」
「私ね、やっぱりベストを尽くしてみようと思うの」
梅雨の日曜日の昼間、風呂上がりに窓から隣の空き家の草木を眺めていたら、なにかふっと目にとまったツバキ。勿論、花なんて咲いてない。専ら葉っぱ。でもなにか絵にしてみたい衝動にかられたのだった。 そして、先ずは写真に収めよう、なんて思うよりも、スケッチのほうがずっとずっと良い筈だ、とか偉そうに思った。
風呂上がり下駄履きのまま外に出て、蚊にくわれながら描いた。
へたっぴだけれども、なるべく丁寧に、大切に、描いた。
そのあと30分ほど経って。
たくさんケムシがついてる、近所の子供達に危険だから、
という理由でその家を管理してる人が、そのツバキをバッサリと切っていってしまった。実際以前から苦情があったのだそうだ。
草木も荘厳な生き物なのだな、と思った不思議な土曜日。
ここ半年ほどなぜなのか、
無性に草木とか自然の景色が堪らなく好きだ。
だからちょっと、大きめの葉っぱにしてみたんです。
2009/4/11加筆