2016年09月14日

ジェットエンジン

20160909-2.jpg
20160909-3.jpg
20世紀のJT8Dと、21世紀のGEnx。いずれもターボファンジェットエンジン。
ジェットエンジンというものが当初期待されていたのはロケットのような噴射反動であって、黎明期のものはその巨大な燃焼室が如実です。人類はやがて、大量の燃料を燃やすだけではカネがかかるわりに大したこと出来ないことに気づき始めます。そこで高圧燃焼ガスからさらに動力を抽出して風車を回すことにしたのがターボファンというわけです。そこに至るまでにはまずプロペラをターボジェットで回すターボプロップの時代を経るわけですが、空間のなかに軸流で存在する回転エネルギーよりも、筒っぽによってエネルギーが変換される能率に気づいた、というわけです。いえ、正確にはその論理はもっと昔からあって実証も20世紀初頭あたりに始まるわけですが…、人類はいろいろとこねくり回すこと1世紀、その極地が形になっているのが最新式のターボファンエンジンというわけです。見る角度によって全て表情が違うファンブレードなんか、よくこんなもんに至ったものだと感嘆します。
JT8DとGEnx、その燃焼室の大きさの違いに是非ご注目ください。高圧ジェット燃焼はもはや、最後尾の動力回収タービン群を回すためにあるようなもので、その出力軸を前方に延長して巨大な炭素繊維のファンブレードをまわし推力を作っています。

20160910.jpg
こちらがその、ターボファンエンジンの黎明期で典型的なもの。ターボジェットコア部分は可変ステーターという凝ったギミックによって能率を追求した、マッハ2を出す戦闘機エンジンの傑作J79ですが、それをデチューンして商用化したものは、まだファンブレードの能率的制御を確立できていませんでした。こうした技術的特異点というのは繰り返しているもので、前時代はちょうど20世紀初頭タイタニックの頃に存在しています。レシプロ蒸気エンジンを回した蒸気エネルギーの残りカスでタービンを回してみたものの、スクリューに直結していたため動力としては能率が良くなかったわけです。これがやがて減速機構を備えたギヤードタービンとして成立していくのですが、飛行機の場合はなかなか重いギアを載せられない。何かとギアがあるにはあるのですが、エネルギー出力軸に対してはギヤではなく複数軸と多段のタービンによって能率が追求されるのが主流となっていきます。現代では軽金属の発達によって、ギヤードターボファンエンジンというものも出現しました。三菱のMRJのエンジンがそれです。
さて、絵は、大好きな飛行機のひとつ、シュド・カラベルにCJ805-23が搭載されている写真を見つけてしまって、その後姿に激萌えしたことを言いたかったのです。

20160911.jpg
カラベルついでに世界初の”実用”ジェット旅客機として知られるコメットを(”世界初のジェット旅客機”はアブロ・ランカストリアン)。
なんでカラベルでコメットなのかというと、シュド社がカラベルを設計するにあたって楽できるところは楽しようとした結果、カラベルのお顔はコメットと同じ、ということ。なにせ戦後の疲弊期です。極秘裏に英仏合併がフランス側から打診されていたことが後に明るみになって物議を醸しました。でも実際は、カラベルのリアエンジンマウント・プレーンウイングの特許はフランスに富をもたらすに至ります。ちなみにこのお顔の意匠はコンコルドまで受け継がれます。
対するコメット。レシプロ機時代の設計水準でリベット打ってたら、窓形状の応力分散から負荷かかって金属疲労で空中分解に至るという歴史的事故が起きました。
それを乗り越えたあとでなお、第一世代のゴーストエンジンが採用されたモデルが4機だけながら作られていました。COMET-1XB、それは完璧なコメットといっていいでしょう。
巨大な遠心圧縮機と大型のカン型燃焼室にたった1枚のタービンとステーターで構成した極めて単純なターボジェットエンジンを4基束にして、旅客機が飛んでいたことがとってもとってもツボなのです。

さて。

ここで取り上げている時代の旅客機をぜひ、航空会社シミュレーションゲームにおいて登場を強化していただきたい!!エアマネジメントとか、エアタイクーンとかッ!!!(笑)

posted by mao9821 at 21:20| Comment(2) | SKETCH
この記事へのコメント
凄い図解ありがとうございます。
旅客機のエンジンはエンジン傍の座席に乗った時
うるせーなー、か、静かだなー、くらいの感想しか
持たなかったのですが、一度でいいからコンコルド
を体験してみたかったです。こわいけど。。。
余談ですが、23日のF35式典で登場した和太鼓が
ジェットエンジンの外殻にみえてしまい。。。
Posted by rin at 2016年09月25日 10:27
和太鼓、同感ですw

コンコルド、同じく。デルタ翼の抵抗がゆえに旅客機なのにアフターバーナーを炊く、どんなものだったんでしょうね。
付け加えて、IL62またはVC10に乗ってみたいです。リアマウント4発が機内でどう響くのか、以前から興味津々。
Posted by 真魚 at 2016年09月27日 11:45
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。