
好きな飛行機のひとつですが…、第二次大戦中のドイツの夜間戦闘機He219ウーフー、そのお背中にある、一瞥してなんかのタービンに見えるトキメキのメカは一体何なのかと長年疑問でした。質問のキッカケをえて、これが Peil G6 という方向探知器であると知ることが出来ました。ほっけ=うるふ氏、誠にありがとうございました。

「闇夜に出撃する貴方の味方!本日はドイツ製方位探知機のご紹介です!!」(甲高い声で)
ネットで調べられる範囲の資料と想像補完で Peil G6 を描いてみました。
現代、というか戦後世界的に航空航路で整備されたVOR(超短波全方向式無線標識、軍用はTACAN)の黎明期のようなものでしょうか。稼働アンテナの電位制御に放射電極とおそらくガラス板を用いる絶縁方法とか、そのためのビスの位置やら補機材回路の美しさやら表示器の造形やら…、ああテレフンケン!!
なんで人類はコレほどのモンを作っておいても、程度の低い感情衝動に心を任せて壊し合い、殺し合いをしちゃうんだろうと。ヒトラーがこうしたメカを作り出せるわけがないのに、これほど知性あふれるメカを作った人たちの多くは彼を支持するにいたるのですから、人類の感情のバブルとバーストたるや一体なんの宿命なのだと。
さて、このシステムを機能させるには地上基地局が不可欠かと思いますが、ソビエト方向に版図を広げたナチスドイツが、こうした基地局をどのように整備させ、また、撤収させていったのか、少々気になったりしました。似たようなところでナポレオン時代の腕木通信機の中継施設が敵の攻撃に晒されて防戦しているイラストを見たことがありますが、つくづく、人智と争いのワンシーンに深く感慨を覚えるところです。
【SKETCHの最新記事】
先日、岡部いさくさんと押井監督の対談本を手に入れ
ちょっと古いのですが読んでいます。
その中で「乗って勝てる気がする飛行機」という話が
あって、やはり日本人&独人のそれ、は共通するものが
あるなぁと思いました。
ウーフーもなんといゆーか、けっこう整った合理的な「美」
がありますよね。艦船の艦橋とか集合煙突とか。
A10がなんか整ってるな、と思っていた原因はウーフーの真似だからなのでしょうか。。
冷静でなきゃ、こんな凝ったものは作れない、のに
狂気に走ってしまったのはなぜか、うーんなるほどです。
争いとテクノロジーと進歩の繰り返しの果て、惑星がそうであるように、凡そまーるくまとまるんだろうなあ、などというところに思い至っておりました。