2017年07月02日

iPad Pro 2017 12.9"

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長かった。
長かった。けど、この素晴らしいメカ、ついに来た。

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iPad Pro 2017、この万能全部入りマシーンは本当に凄い。

初めてペンタブレットデジタイザ(WACOM ArtPad2)というものを使ってから丁度20年、これまでの徒労を語るのも億劫なので省略し、iPadPro2017が如何に全部入りかを書いていく。の前に軽く断ると、Surface Pro2やCintiq Companionや2015年式iPad Pro 12.9"も一瞬ながら手中にしてきたゆえの比較評価を含む。

現実的にディレイを感じさせないペン入力!全て試した現状、ApplePencilを超えるスタイラスペンは無い。メジャーなものをすべて試して理解した。正確には、Apple iPhone/iPod touch/iPadの静電感知入力が桁外れに高精度であって、手袋併用前提であればiPad無印でも全世代通して良好なペン入力を味わえる。が、圧倒的に使い心地が良いのはiPad ProのApple Pencilだけだ。

MacBookPro2016以上2017未満あるいはほぼ等格の処理能力、Apple A10Xプロセッサ。演算6コア(能力重視3コア+節電重視3コア)に別途強力なグラフィックコア。私の画像処理でモタツクような事一切なし。ファイルに書き出したとき100MBytesを超えるような絵のデータがホイホイ出来ていく。メモリ4GBytesとはいえ、これが少ないと感じるのは、PCシステムが肥大化しすぎたからである。iOSはその点まだ、肥大化しすぎていないし、ハードウェアとしてデコラティブにメモリを載せていくより、コンパクトにして安定性を重視する設計思想が強い。実際、A4印刷を前提とした300dpiの画像でレイヤ10枚超えても、補記憶装置に激しくスワップさせているようなモタツキは全くない。

 そして、電池持ちが半端なく良い。

Display P3。携帯デバイスの液晶画面が、カラーマネジメントによって一定の発色が保証されているのは、たぶんAppleだけなんじゃないだろうか。出荷ディスプレイの全数がハードウェア次元のカラーマネジメントが施されている。それもsRGBどころじゃない、AdobeRGBクラスの広色域「Display P3」だ。
そこで懸念されたのは、P3で作った色を別の画面に持っていったときに派手に色が狂うことだが、P3環境下で作った色はかなり素直であり、他の画面で見ても狂いは少なく、カラー変換も素直に行える。sRGBディスプレイ下であまり狂わず、AdobeRGBディスプレイ下で僅かに鮮やかになる程度で、表現の方向性が異常に異なってしまうことはない。iPad Proのカラー画面を一言で言って、素性の良い発色と思う。

以上3点だけでもはや十分どころか、そこらのパソコンを不要にするレベルである。特に色においては、価格を優先としてハチャメチャになること筆舌に尽くしがたいWindowsやAndroid環境では、買った瞬間からここまで色管理が整った機材は存在しない。それにとどまらず、高級なMacBookProの領域に本格的に食い込んでいる。少なからず、絵を描く需要においては完全にパソコンの立場を奪った。なにせ良いアプリが出揃っている。ファイラーの面倒くささも、次期iOSで進歩すると聞けば、もはや絵にはPCを必要としない時代に成ったとおもう。
だが、私は全部入りと書いた。それを述べよう。

TrueToneディスプレイ。この機能、iPadPro2015では搭載されず昨年の9型Proから搭載されたもので、2017年型Proから全機種となった。環境光に合わせて表示色が穏やかに変化する機能だ。個人的にこの機能は本当に優れていると感じた。Appleのカラーマネジメントポリシーが並々ならぬ次元にあることを感じている。
既に目にするレビューでは、絵を描く人はこの機能をオフにしろ、という意見がある。一応正しい。ただし個人的にはオンにしている。理由を書く。厳密にカラーマネジメントした固定的表示環境に対して、環境光がコロコロ変わると、印象評価のための自己心理尺度が窮屈で曖昧になっていく。だから、本当にカラーマネジメントを徹底するディスプレイでは環境光を減らすためにフードをつける。その設備光景はまるで信号機である。そのひさしのなかに頭を突っ込んで色を扱うのが最良の姿だ。が、創作的に言って恐ろしく窮屈でもある。繊細な心理尺度に対してその凝り固まった固定法が本当に正しいのかは懐疑的でもある。iPad Proはそういうゴツい装置ではない。そこでTrueToneという極めて高度なものがついている。条件の変動を高度に許容するための土台を提供してくれる。
創作最初の素早い印象段階で色が決まってしまえばスポイトで繰り返せるのがデジタルの世界。そもそもアナログの世界だって画材色が環境光の影響を受け続ける宿命がある。ならば、決めてしまった色が影響を受け続ける環境光下で、決定色がどのような表情に変化していくのかを常に意識しているほうが色への理解が深まる。そういう視座を提供するに十分な性能を、TrueToneディスプレイの環境光センサーと画面制御アルゴリズムは持っている。
ちなみに、ブルーライトカット目的の「ナイトシフト」機能は臨機応変にオンオフしている。Appleはそのあたりにも気を配っていて、「ナイトシフト」のスイッチは手が届きやすいところにあり、「TrueTone」のスイッチは手が届きにくいところにある。
なお、12.9型iPadProのTrueToneディスプレイが最大の真価を発揮するのは、電子書籍である。隣にコピー用紙を置いて完全なアナログ紙面からの反射光と比べても、大差のない演色を、iPad Proはやってのけるのだ!

4Kカメラはこれまた色補正が進歩した。というか4Kカメラが積んである時点で十分幸せなことだ。2015年型では無かったフラッシュも搭載だ!
内蔵スピーカーの馬力がとても良い。よくこれだけのスペースでこれほどの音を、音割れもなく鳴らせるものだ、と感動している。私は答えの出ないオーディオ談義が嫌いで、現物を聴きに行けばそれでよいという人。音は警告音に至るまでキッチリ鳴ってさえいてくれればそれで良し、なのだが(警告音さえ鳴らない環境は結構多いものだ)、そういうスタンスの人間をとても満足させるに十二分の音響が確保されている。iPadProだけでBGMを楽しめるのである。
無線LANは11acの867Mbps。NASから低圧縮あるいは非圧縮の動画を呼び出してもストレスが全くない。
・とても反応の良い指紋認証がついている。あたりまえのようについている。
外付けJISキーボードが選べるようになった。重くなるので私は買ってないが。
冷却ファンがない!!可動部がないんだ!!!内部にホコリを吸い込まないぞ!!!ファンがないといっても加熱することもない!!!A10Xプロセッサは本当に凄い。
・基盤が小型であり、部品点数も極端に少ない!!電子回路は部品点数が少ないほうが絶対に良い。壊れにくいこと言うまでもない。トラブル時は持ち込みでモジュール交換されることを前提に、強力なデータバックアップ体制も提供されている。iCloudはとても気に入っている。そもそも、バッテリーの消耗以外で自然故障の可能性はめざましく低下した。そのバッテリーにしたって恐ろしく進歩した。

 ビバ!21世紀!!

‥たぶんまだ書くべき事はあると思う。そのうち追記するかもしれないが、今回はこれくらいで留める。
一体どんだけ開発費かかってるんだよ!wwwと言いたいくらい高度で素晴らしいメカだと思う。
明らかにMacBookProよりクリエイティビティに満ちていて、それでいて圧倒的に安価であり大満足だ。


そんなこんなで、

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描き初めです。

posted by mao9821 at 15:00| Comment(3) | 読み物
この記事へのコメント
あああ…
おはようございます
朝5時に早起きしまして、近所の沼に
蓮の花を観に行きましたが、すでに
30度超えという暑さでスガスガしさも
なにもあったもんじゃないと、帰宅したところ、清涼飲料のようなお着物さんが
(もう蓮花(れんか)さんと名付けます)とびこんできましたよ!
日陰感がたまりませんですね。
んで、PROのご購入価格はおいくらだったのですか?
真魚(魔魚)さんのイケイケコメント読んでいたら欲しくなっちゃッ…
(お絵描きソフトも同梱されているのですか)

やっぱり、猛暑日はエアコンつけてお部屋で美人さんお絵描きですよね!!
Posted by rin at 2017年07月16日 08:16
rinさんおはようございます。
蓮花さん!ありがとうございます^^
最近は早朝でも早朝らしくない夏っぷりですね。

ご購入価格はですね、諭吉さん12人くらいでしょうか。12.9型WiFi256GBモデルというものです。10型のProであればもっとお安くなります。
お絵かきソフトは、同梱されていません。(メモる程度ならついてるとおもいます。)
いくつか良いものがあるのですが、iPad向けとして歴史を重ねだしてるProcreateというソフトがとても好きです。で、お値段800円。拍子抜けする価格ですが、タイムズスクエアに掲げるポスター作品まで作られたと聞くほど、半端じゃないです、コレ。
iPadProはホント良いですよ。ぜひぜひ!w
Posted by 真魚 at 2017年07月16日 09:47
じゅ、じゅうに、まん。。。
そですかそですか。。
(↑バイクのサスには躊躇なくその額を)
というか。。最新のエアコンが買えるですな(ムーヴアイ)とか。。

でもでも、ノートパソコン買うくらいなら
絶対iPadProほしいです!

Posted by rin at 2017年07月16日 11:19
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