2019年05月01日

令和元年

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令和が発表されたときの素っ頓狂な一瞬や、瞬時に万葉集が出典と気づく秀逸なニコ動民、そしてその後の浸透の速さが、ああ実に日本人の世界よ、と面白かった体験を込めて、令和の描き初めです。

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posted by mao9821 at 22:20| Comment(2) | ILLUST

2019年03月28日

ワンチップになったエンジン制御コンピュータ

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NHK『新・電子立国』から。ドキュメンタリーをワンドロで。
オイルショックや公害問題のなかで、自動車の内燃機関はアナログによる制御が限界に到達。先陣を切っていたホンダのCVCCはマスキー法を超えたが、排気ガス規制はさらに厳しくなったのである。さなか、フォードが呼びかけた、制御装置の電子化に応じた数社のうち最後まで残った東芝は、冷蔵庫ほどのコンピュータ、DECのPDP11同等の能力を安価にワンチップ化させる。しかしそのあまりの極端がゆえに当初フォードの経営陣は懐疑的であったという。そこで、あらゆる車上電力に負荷をかけた状態で、アメリカの灼熱砂漠地帯を走破するテストが行われた。しかして試験は合格となる。
日本でも昭和53年規制を境に、その高い水準の排気ガス規制に対応するため、排管触媒に対し理想的な空燃比を実現するために、エンジンの電子制御が急速に普及していく。
好きなお話のひとつ。昨年11月18日作。

posted by mao9821 at 13:37| Comment(2) | ILLUST

2019年03月27日

雪を溶かすよー

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桜が咲いてきましたので、きっちり雪を溶かしましょう。
ロシアで今も活躍する冷戦初期の遠心ターボジェットエンジン、クリーモフ・VK-1です。一年前作。
元はロールスロイスの遠心ターボジェット”ニーン”。大戦終結後、英国が疲弊と混沌の時代に突入していく中で、超絶財産をうっかりソ連にさしあげてしまった結果出来上がったもののひとつ。Mig-15のエンジンとして有名です。中国でもコピーされたとか。そうした政治次元の話以外にも、RRの工場を見学したソ連の人々の靴の裏には、工場での削り屑を採取する仕組みがあったなど、黎明期のタービンエンジンの歴史には、飽くなき冶金の切磋琢磨があるわけです。

なお、コンプレッサホイールの回転方向に対しタービンが逆回転に描いてあります。これは、Wikiの写真が暗くてよく見えず、こう見えたため疑問点としてそのまま描きました。本物を見たいです。(あとから目を凝らしてみたらコンプレッサとタービンはちゃんと同じ回転になるような羽根になってた)

posted by mao9821 at 01:16| Comment(2) | ILLUST

2019年01月01日

この口づけを全世界に!

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あけましておめでとうございます。
新しい時代がどんな未来であれ、
その未知を祝福によって開きたかったので、
『歓喜の歌』をお送りいたします。
本年もよろしくお願いいたします!

それにしても、ドイツの言葉というのは情熱的ですネ。

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2018年12月24日

組絵・ロッキードを飛ばそう

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「機長、描いてる奴がブラシの設定を遂に理解したようです。」
「やっとか!」「ええ、日が暮れてしまいました。」
「だが電気が絶好調だぞ。きっと油圧も良いはずだ。すぐ上がってこい、離陸前チェックだ。」
「イエッサー!」

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「3番、起動。」
キユイーーーコトンコトンコトン…
「コンターークト!」
…カスコンカスコカスコ、ずがぼんッ!!ボコボンボコボンボコボン…ヒィイーーキィーーーン…
「続いて、4番起動。コンターーークトッ!!!」

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「油圧」「オッケーい!」
「ギアピン」\へーい!/\ヤー!/「スリーピンズ!」
昔の飛行機の運転はとってもむさ苦しい。そして忙しい。でもそこがいい。

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「シンサカナ16、誘導路チャーリーからブラボーで滑走路25リマだ」
「チャーリーからブラボー、25L、コぅピー」
「ご搭乗の皆様、当機はまもなく離陸いたします、お座席のテーブルを元の位置に、シートベルトをお締めください。」

ふんぼこぼんぼこボンコぼこゲパパパパ…

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「ウォームアップブロックに到達」「タワー了解」
「点火栓発電機確認、1番左、右、両立、続いて2番…」(中略)
「SSK16離陸を許可」「おーし!」「ローリングテイクオフ」
「離陸推力!」「ヨーソロー」

ぶぶゃびゃびゃががばわわわわわーんギーーーーン
がわわーーーーーーーーーん

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クリスマスイブに、ターボコンパウンドエンジンによる離陸の夜景をお届けいたします。
※ちなみに誇張表現ではありません、離陸中は本当にこんな火をふくんです。アフターバーナーのレシプロエンジン版というか。




ロッキードを飛ばそう・番外編
これは実話であり、公式記録、専門家の分析、関係者の証言をもとに(ry
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「エンジンが燃えちゃうよう!(違」
「第4エンジンに愛着はないな?」
「喜べ!第4エンジンのポッキーは吹き飛んだぞ!」
「HAHAHA今日一番のニュースだ!」
(ポッキーの日に描いてた)

火を吹いてるのは燃料供給の異常を起こした第3エンジン。その右側が、除氷装置がプロペラから剥がれかけてる第4エンジン。米国商務省海洋大気局ハリケーン・ハンターの実話です。飛行機はWP-3D、対潜哨戒機の気象観測版、愛称は同じくオライオン。原型は売れなかった旅客機L-188エレクトラ。
機長さん曰く、「台風に突っ込んでいってもびくともしません。戦車のように頑丈で頼もしい飛行機です。」

後ろのC-130もロッキードの飛行機でロッキード尽し。ハリケーンの中で4発の大型機がここまで接近して事態を共有し打開できたのは、航空史上初!と豪語される(ちょっとブッ飛んでる)関係者の方々が素敵。
このお話、好きです。

posted by mao9821 at 22:53| Comment(0) | ILLUST